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生活習慣病

生活習慣病

生活習慣病は、40代から60代に発症することが多いことから、かつては成人病と呼ばれていました。成人病が生活習慣病という名前に改められたのは、食生活・身体活動・アルコール・たばこなど、生活習慣と密接な関係があると認識されるようになったためです。

生活習慣病の要因には物理的に避けられないものもありますが、自分で改善できるものも少なくありません。生活習慣病にならないためには、「歳をとったから仕方がない」のではなく、「生活習慣を改善することで予防したり進行をおさえることができる」病気だという意識を持つことが大切です。

このページでは、生活習慣病の代表的な疾患、高脂血症糖尿病高血圧についての原因と対策を紹介致します。

主な生活習慣病とその原因

糖尿病

糖尿病に新治療

2型糖尿病と診断された時点で、直ちにインスリン療法に入ったほうが経口薬治療よりも血糖コントロールが良好という発表が行われました

インスリン治療

通常の2型糖尿病の治療は食事と運動の見直しというヘルシーな生活習慣からスタートをして、経口薬からインスリン療法へと進行します。
しかし、インスリン導入には患者のみならず、医療サイドにもためらう傾向が強いので、合併症が現われるまで経口薬で頑張り過ぎてしまうことがよくあります。どうしてもインスリン注射だけは避けたいと思っている方は大勢います。インスリンを始めたら生涯やめられない!と思い込んでいます。

でも一番大きな理由は、インスリン治療になることは2型糖尿病者の殆どが自分はもうおしまいだ、これで一生インシュリンから離れられないと感じています。あのとき真面目にやっていれば、今でも食事療法と運動療法で済んだのに……というわけです。

英国で新たに2型と診断された患者約5,100人を、生活改善のみとか、インスリン療法、SU剤、メトフォルミン等のグループに分けて、10年以上も追跡調査しました。この研究によって2型糖尿病のことがいろいろ解明されました。

その一つに2型糖尿病は「進行する状態である」というものがあります。正常の膵臓のインスリン分泌をするベータ細胞の機能を100とすれば、2型糖尿病と診断されるときにはインスリン分泌能力が50%に低下、さらに6年もたてば25%以下に落ちてしまうという結果が出ました。つまり、2型糖尿病とはいずれはインスリンが必要になる病気だったのです。
なぜ初期にインスリンを使うかは、血糖値が高い状態は膵臓に直接ダメージを与えます。これを糖毒性と言います。糖毒性は、インスリン分泌能を阻害しさらに糖尿病を悪化させます。そのため、インスリンを投与し、血糖を下げると同時に膵臓を休ませてあげることにより、インスリン分泌が復活します。
インスリンは早期に短期間使うだけです。あとは内服薬のみのコントロールになりますのでご相談ください。

現在、インスリンは、低血糖を起こしにくいバイエッタを使い、針はマイクロファイン+という痛くない注射針を使用しますので安心してご相談ください。

高脂血症

高脂血症の治療
食生活の改善

まずは食習慣の改善から

動物性タンパクを摂ることによって、LDLコレステロール(悪玉)が増加します。これをコントロールすることが必要になります。
・バターをマーガリンに変える。
・マヨネーズ、卵の摂取を控える。
・タラコなどの魚卵はコレステロールが高いので控える。

食べ過ぎ、アルコール摂取過剰は中性脂肪を増加させるので注意してください。また、EPA(エイコサペンタエン酸)を多く含むイワシなどの魚を多く接種するようにしましょう。

運動療法

一気に負荷をかける運動は、血中の糖分だけを消費し、筋肉疲労のみを残します。30分以上かけて軽い負荷でかまいませんので、汗がにじむ程度の運動をしましょう。脂肪などの脂質が燃焼し始めるのは、有酸素運動開始後30分以上たってからになります。医師と相談して、方法を決定してください。

薬物療法

いろいろなタイプのものがありますが、必ず副作用で問題になるのは、筋肉が薬によって破壊される横紋筋融解症です。定期的に採血が必要でCPKの数値には十分に注意する必要があります。

薬の種類は、胆汁を吸着し、コレステロールが水に溶けないようにして吸収を阻害する薬、排泄を促す薬があります。また、LDLの数値を下げないけれども、酸化を防いで血管に障害を起こさせない薬もありますので、医師によく相談してください。

治療目標

LDLコレステロールが治療の指標になります。現在はLDL-Cを直接採血で調べる方法が標準になっていましたが、検査会社によって試薬や検査方法にばらつきがあるため、学会では LDL-C=総コレステロール-HDLコレステロール-中性脂肪/5で求めることが標準になっています。

患者カテゴリー別脂質管理目標値(動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版)

カテゴリー LDL-C以外の
主要危険因子*
LDL-C 脂質管理目標値(mg/dl)
HDL-C TG
Ⅰ(低リスク群) <160 ≧40 <150
Ⅱ(中リスク群) 1~2 <140
Ⅲ(高リスク群) 3~ <120
冠動脈疾患の既往 <100

*LDL-C以外の主要危険因子
・加齢(男性45歳以上、女性55歳以上)
・高血圧
・糖尿病(耐糖能異常を含む)
・喫煙
・脳動脈疾患の家族歴
・低HDL-C血症(<40mg/dl)
糖尿病・脳梗塞・閉塞性動脈硬化症の合併はカテゴリーⅢとする。

治療方針の原則

カテゴリーⅠ~Ⅲ:一次予防
まず生活習慣の改善を行った後、薬物治療の適応を考慮する。

冠動脈疾患の既往:二次予防
生活習慣の改善とともに薬物治療を考慮する。

高血圧

循環器疾患ページでも述べていますが、食事などが原因で塩分のとりすぎにより血圧が上昇する場合と動脈硬化により末梢血流抵抗が上昇、腎不全による血圧の上昇など様々な要因があります。

正しい家庭血圧の測り方と基準

1日の中でも変動する血圧は家庭での測定が重要。
正しい測定法をご紹介します。

家庭で正しく血圧を測ることは、血圧管理の第一歩。病院での血圧測定では分かりづらい仮面高血圧を発見するという意味でも、家庭での血圧測定は重要です。

  1. 椅子などに座る。
  2. 付属の圧迫帯をややきつめに(指1本入るくらい)に上腕に巻く。
  3. 上腕をテーブルなどに乗せ、圧迫帯が心臓と同じ高さになるようにして測定。
高血圧

実際には、駆血帯を上腕にまくタイプが理想です。
しかし、既に買ってしまった場合には、指や手首に巻くタイプで測定していただいても問題有りません。ただし、手首に巻くタイプは、手首周囲の腱が強い場合には血圧計が動脈を圧迫仕切れないため、正しい血圧測定ができない場合があります。また、このタイプは心臓の高さに血圧計を維持するためには、まいた方の手のひらを反対側の肩に置かないと心臓の高さにはなりません。心臓の高さというのは右心房の事をさしており、通常皆さんは、心尖部に持って行ってますので、ご注意ください。

生活習慣病の予防方法

これらの疾患の対策としてまず

(1)食事療法
(2)運動療法
(3)体重コントロール

が有効な対策となっています。

食事療法

食事療法

基本は食事ですが、独身者の場合どうしても外食が多くなり、コントロールが難しくなります。その場合には、宅配サービスを利用するという手もあります。

また、既婚者の場合にはご夫婦が協力しないと、できない場合もあるのでできる限りご夫婦で診察を受けられると良いと思います。

なお、糖尿病で食事制限をすると空腹感を覚えもっと食べたいという人がいますが、食品交換表を利用すると量的にはかなり食べられますのでご利用ください。

運動療法

運動療法

いきなり激しい運動をして大量に汗をかいて満足する人がいらっしゃいますが、アスリートの方以外は生活習慣病改善の手段にはなりません。最低30分以上ゆっくり長く有酸素運動をしないと脂質燃焼につながらないからです。

運動前に糖分を接種しましょう。

運動前には必ず糖分を摂取するようにしてください。これをしないと、筋肉内の糖分を使ってしまい筋肉の疲弊が強く30分以上の運動はできないからです。
糖を摂取することにより、血中糖分を燃焼させながら30分を経過すると、体脂肪をエネルギーに変える代謝が働き始め皮下脂肪の減少につながります。

体重コントロール

体重コントロール

体重コントロールは、糖尿病などにおいてインシュリン感受性を作用する重要な因子となっています。体重が減ることで病状が改善することもあります。

標準体重は今の基準だと低身長の人に緩く、高身長の人にきつい傾向があるのでよくかかりつけ医の先生に相談の上行ってください。

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